ウェブサイトの改善にあたっては、「リピーター」「初心者」といったユーザセグメント別に打ち手を検討することも効果的です。
あるファッション関連ECサイトでは、購入金額の多い「ロイヤル顧客」をUSERGRAMで抽出・観察し、彼らの行動を踏まえてサイト内コンテンツを拡充したところ、増加傾向にあったロイヤル顧客の離反を防止し、売上増加につながりました。
売上がじわじわ減少。ロイヤル顧客のリピート率低下を食い止めるには?
あるファッション関連製品のECサイトでは売上の多くを一部のロイヤル顧客が占めていました。
そして、購入データの分析結果から、ロイヤル顧客のほとんどは同じ製品を定期的にリピート買いしていることが分かっていました。
「ファンになってリピート買いしてくれているのだろう」
担当者はそう推測し、ロイヤル顧客には特段の対応をせず、新規会員の獲得に注力していました。
しかし、近年、競合サイトの増加などによりロイヤル顧客のリピート率は低下、EC全体の売上もじわじわと減少してきました。
ロイヤル顧客は別の商品を買おうとしていたのに諦めていた
悩んだ担当者は、売上の大半を占めるロイヤル顧客に改めて着目することにしました。
USERGRAMでロイヤル顧客を抽出し、彼らの行動を観察したところ、購入データの分析からは分からなかった意外な行動が見えてきました。
同じ商品ばかりをリピートしているロイヤル顧客が、実はリピート購入の前に別の商品のページもじっくり見ていたのです。
カートに入れたり、口コミを見たりするユーザもいるものの、「普段と違う商品を購入すること」には踏み切れず、最終的にはいつもの商品だけを購入するという様子でした。
口コミコンテンツを拡充したところ売上が増加
「なぜこんなにじっくり見ているのに、購入に踏み切れないのだろうか?」。疑問に思った担当者は実際のサイトを開いて、ユーザの行動を再現してみました。
すると、各商品に用意している「カスタマーレビュー」について、
- ユーザが実際に使ったときの写真ではなく、メーカーが用意した宣伝用写真のキャプチャが口コミとして投稿されている
- コメントは良いのに評価の星の数が低い
など、信憑性が乏しく、参考にならないレビューが多かったのでした。
ロイヤル顧客は、新しい商品を購入するにあたっての不安を解消できず仕方なく同じ商品をリピート買いしており、そのような状況の中で競合サイトが提供する気になる商品に徐々に浮気していたのでしょう。
担当者は、口コミ投稿の規約を改定し、投稿される口コミの品質向上を行うことにしました。
すると、ロイヤル顧客は、いつも買っていたものとは違う商品も徐々に購入するように。結果として、ロイヤル顧客の離反防止と減少傾向にあった売上の反転に成功したのでした。
USERGRAMでロイヤル顧客の行動を観察するには?
USERGRAMでは自社データベース上の会員番号などを利用してユーザを抽出することができます。
事前準備
- 会員番号でのユーザ検索ができるよう、USERGRAMで「会員番号」などを「サービスID」として計測しておく
- 自社データベース上の購入データをもとに、購入金額や頻度が多い「ロイヤル顧客」の会員番号を抽出する
確認方法2
- 「会員番号」を指定してユーザを絞り込む(詳細はこちら)
- ユーザのウェブ上での行動を確認する