「データに基づくPDCAが大事だと分かっているが、日々の業務に追われてDoばかりになってしまう」
「チームメンバーの育成をしたいが、どうしたら良いのか分からない」
デジタルマーケティングでよく聞くこんなお悩み。USERGRAMカスタマーサクセスチームではお悩み解決のヒントとして、USERGRAMをご利用中の企業様がPDCAやチーム育成にどのように取り組まれているかをご紹介していきます。
今回は大手保険代理店のマーケティング部 ウェブチームの皆さんに、USERGRAMを使ったチーム朝会の様子を取材させて頂きました!
大手保険代理店のチーム朝会の概要
- 頻度・所要時間…毎週火~木 9:30~10:00(週3回・30分)
- 参加者…マーケティング部 ウェブチームの全員(7名。担当課長含む)
- 事前の準備…特になし
- 内容…3~4人ずつの2チームに分かれ、USERGRAMのユーザ行動をサイト上で再現しながら確認し、気づきを議論
- 観察するユーザ…最近実施した施策や実施予定の施策、他部署から改修要望が出ているページの閲覧ユーザなど
- 定例ミーティングの効果…チーム内でユーザについての共通理解が進み、施策の検討がスムーズに。筋のいい企画かどうかを判断する肌感がつくため、業務が効率化される
- PDCA実践のコツ…メンバーを巻き込むための上長のリーダーシップ
大手保険代理店の「朝会」を見学
大手保険代理店のA社様では、対面での保険相談ができる相談カウンター(店舗)を各地に展開しており、各店舗への送客チャネルの一つとしてウェブサイトを運営しています。
今回お伺いしたウェブチームは、サイト内のコンテンツ改善・ウェブ広告経由のサイトへの集客を行い、来店予約数を伸ばしていく役割を担っています。
週3回、USERGRAMを見る「朝会」を実施
こちらのチームでは、毎週3回、火曜日~木曜日の9:30~10:00の30分間を使って、皆で一緒にUSERGRAMを見る朝会を実施されているとのこと。
参加者は担当課長以下、プランナー・ウェブ広告ディレクターやコーダー、店舗ページのCMS運営担当を含めた7名が集まり、3~4人ずつの2チームに分かれてUSERGRAMを見ているそうです。
USERGRAMで見るテーマは、最近行った施策や今後実施する予定の施策、他部署から改修要望が出ているページなどその時々で気になっていること。
司会役(持ち回り)が操作するUSERGRAMの画面を3人で一緒に見ていきます。
新宿の店舗に予約したユーザの行動を確認
私たちが見学させて頂いたこの日、担当課長が入るチームでは、来店予約をしたユーザのうち、新宿にある店舗に予約したユーザを絞り込んで行動観察(※)を行っていました。
条件を指定してユーザ一覧を表示させたあとは、一人ひとりのユーザ行動を実際のサイト上の画面と照らし合わせながら確認していきます。
「新宿駅付近の店舗一覧のページを見た後、Googleから検索し直してますね。サイト内の店舗一覧ページだと思ったような店舗が出なかったのかな」
「この店舗一覧のページ、新宿駅からけっこう離れた店舗も上の方に表示されてますね。店舗一覧ページでの表示ロジックは次のリニューアルの時に改善要望の1つにしましょう」
ユーザ行動を追いながら、チームメンバーの間で気付きや改善案が議論されていきます。
※申込みフォームの情報(購入商品、性別、居住地など)でユーザを絞り込む方法はこちら
リスティング広告から流入したユーザをUSERGRAM上で見ている時は、別のパソコンで実際に検索エンジンを開いて、そのリスティング広告が出るキーワードで検索をかけてみて、検索結果画面での表示も確認。
「競合のB社に負けてますね…これB社のサイトどうなっているんだろう」
「B社のサイト、店舗のスタッフ紹介がそれぞれ、写真とコメント付きで用意してある。たしかにユーザから見ると、こっちの方が行きたくなりそう。うちもプロが撮った写真にできないのかな」
など、自社サイト以外も含めてユーザ行動を追体験し、ユーザ視点からの改善案が検討されていました。
気になる行動を取っていたユーザは「お気に入り」に登録し、「メモ機能」に気づきを記入。
この日は6人のユーザを見た時点で30分が終了。皆さん、パソコンを片付けてそれぞれの業務に戻っていかれました。
定例終了後のインタビュータイム
終了後、担当課長の方に定例実施の背景やPDCA実践のコツについてお話を伺いました。
Q.このような朝会を実施されている目的はなんですか?
目的は2つあって、1つ目は「チームメンバーの自社サイトに対する理解を深めること」です。ウェブに関わるチームであるのですが、人の入れ替わりがありますし、担当業務によっては現行サイトの全体像を知らないメンバーもいます。そのため、まずはサイトがどのような作りになっているかをきちんと知ってもらうことを目的にやっています。
2つ目の目的は「共通言語化」です。USERGRAMを利用し始めた当初は、ウェブチームの中のもう1人のメンバーと使っていたのですが、一緒にUSERGRAMを見ることでユーザ行動についての共通理解が進み、施策の検討もスムーズになりました。ウェブチーム全員でUSERGRAMを見ることで、チーム全体の共通言語が持てるようになることを狙っています。
Q. 朝会についての皆さんの反応はいかがですか?
朝の30分は貴重な時間なので、最初は正直「やれやれ…」という感じのメンバーも多かったです(笑)。
ただ、朝会以外にも「宿題」と称して、あるテーマについて行動データを1人1人じっくり観察し、考察や改善案の検討を行ってもらう取り組みをしており、徐々に行動データを見ることの意味に気づけてきたようです。
今では、何か企画を提案する際に、メンバー同士でも「それって実際のユーザ行動はどうでしたか?USERGRAMで見てみました?」という会話がされるようになってきました。
Q. 朝会を始めてからどのような変化がありましたか?
朝会を始めてからそろそろ半年ですが、「共通言語化」は進んだと思います。
何かの提案をする時、以前はGoogle Analyticsなどで「このページを見ている人は何人いて…」というのを都度分析していたのですが、今では「そういうの使う人いないよね」とすぐに言えるようになりました。毎朝見ているから肌感がついてくるんですね。
他部署から要望を受けたときも「毎日ユーザ行動を見ているが、そういう使い方をしている人はほとんどいないですよ」と言えるのは説得力があるようです。
Q. 行動データをもとにPDCAを回すためのコツは何だと思いますか?
最初はまずは強制することだと思います。朝会を始めた背景には、部長の号令があったのですが、そこで「どのようなお客様がうちのサイトにアクセスしているかを知ることが一番大事。何を差し置いてもユーザ行動データを見よ」と言ってくれたことが、メンバーを巻き込んでこのような活動を始めるきっかけとして大きかったと思います。
最後に
お忙しい中、定例ミーティングの取材にお付き合い頂いた大手保険代理店のA社の皆さん、本当にありがとうございました!