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インタビュー

【取材】週4-5本もの新規施策リリースを可能にした「高速改善プロジェクト」って?~結婚式場予約サイト運営会社様編

「改善スピードがなかなかあがらない」
「施策アイディアがなかなか浮かばない」

このようなお悩み解決のヒントとして、USERGRAMをご活用頂いている企業様のお取り組みをご紹介していきます。

今回は、結婚式場予約サイトを運営されているA社様で、
サイト企画担当・エンジニアがタッグを組んだ「高速改善プロジェクト」を推進された、
M様(サイト企画チームのサブリーダー)・F様(エンジニア)のお二人に取材させていただきました。

「高速改善プロジェクト」とは?

「高速改善プロジェクト」とはどのようなお取組みですか?

M様: 短期間で成果を最大限出すために行った、2ヵ月間のプロジェクトです。
需要期を3ヶ月後に控える中、KPIの進捗が思わしくない状態だったので、それまで週1~2本だった施策実行のスピードを上げ、需要期に数字をしっかり作ろうというのが狙いでした。

具体的には、1週間決まったスケジュールで施策を出しまくるというのを7週間繰り返しました。
1週間のスケジュールは下記のような流れで、結果的に毎週4~5本ペースで施策をリリースしていました。

▼ 一週間のスケジュール

どんなメンバーが参加されたのですか?

F様: 参加者は、サイト企画 3 名、エンジニア 2 名 の計 5 名です。エンジニアが一緒に企画の段階から入ることで、短期間でのリリースを可能にしました。

90分で実装する施策まで決めきる「案出しミーティング」

各週で取り組む内容(テーマ)はどのように決めていたのですか?

M様: まず、プロジェクトを始める前に、私とFで各週で取り扱うテーマを決めていました。
例えば、1週目は「キャンペーンのCVR改善」、2週目は「一覧ページから詳細ページへの遷移率改善」などです。

「案出し」ではどのようなことを行ったのですか?

M様:各週のスタートである「案出し」では、90分間の「案出しミーティング」を開催していました。

まず、私がその週のテーマとゴールを共有します【1】。
そのあと、30分ほどかけて、3~5名のユーザを参加者全員で一緒にUSERGRAMで観察【2】。
観察内容をもとに考えられる施策案のアイディアを出し合い、お互い内容を共有した後【3】、
最後の30分でその週に実施する施策内容を決定していきました【4】。

案出しミーティング(90分)のタイムスケジュール

【1】今週のテーマとゴールの共有(5分)
【2】USERGRAM 上のユーザ 3~5名の行動観察(30分)
【3】施策案出し・共有(25分)
【4】施策の実施判断・実行計画立て(30分)

事前に観察すべきユーザをピックアップ&スプレッドシートで気づきの共有を効率的に

90分という限られた時間でその週に取り組む施策を決めきるのはすごいですね。ミーティングがスムーズに進行するように工夫したことはありますか?

M様:ミーティングにはGoogleのスプレッドシートで、アジェンダ兼ワークシートとして使えるシートを、私が事前に作って臨みました。

【1】テーマとゴールの共有 と 【2】行動観察で使う「施策案出しシート」
【3】施策案出し・共有 と 【4】施策の実施判断・実行計画立てで使う「施策検討シート」です。

「施策案出しシート」はどのように使ったのですか?

M様:まず、各週の案出しミーティングの前に、私の方で、その週のテーマとゴール、参考となる数値データを事前に記入しておきます。

あわせて、ミーティング内で観察するユーザを3~5名、事前にピックアップしてユーザのURLを貼っておきます。
当初はミーティング内で観察するユーザを選んでいたのですが、そうするとその週のテーマと関係ないところで気になる行動をしているユーザを観察してしまったりして…
時間を有効に使うために、気づきの得られそうなユーザを事前に選んでおくようにしました。

また、ミーティング内で観察をしている間、参加者が各自の気づきをリアルタイムで記入できる欄も用意しておきました。
これにより、あとで気づきを共有したり整理しやすくすることができました。

施策案出しシート(イメージ)

エンジニアを交えて3日(=15時間)で実装できる施策に絞り込む

「施策検討シート」はどのように使ったのですか?

F様:行動観察が終わったら、まずは各自でユーザ行動から得られた気づきを、改めて「特徴的なユーザ行動&状況」と「施策アイディア」をセットで、シートに整理しながら記入していきます。
20分ほど時間を取ると、だいたい1人2~5案ぐらいが出てきました。

その後、30分出てきた案を皆で議論しながら、各アイディアの実施判断や、施策としての実装内容、必要工数、対応日などを記入していきます。

<施策検討シート(イメージ)>

数ある施策案の中から、実際に実行するものはどのように選びましたか?

M様:大きく 2 つの条件で決めていました。

【1】現実的に実装可能であるか(3日15時間で実装可能かどうか)
【2】「改善する目的」に合致しているか(目標に寄与するか)

特に【1】は重要で、1週間単位で改善サイクルを回していくには、実装に使える時間は、案出しやリリース作業を除くと、3日(=15時間)しかありません。
企画担当は現実的ではない理想の施策案を出してしまうことも多かったので 、「3日(15時間)で実装完了できる施策案だけやる」、というルールを設けて、より具体的な施策案を出せるようにしました。

その後、実装リリースに向けては、どのように進めていったのですか?

F様:案出しの後の3日間(金・月・火)は、リリースに向けて私たちエンジニアが中心で進めました。

まず、より具体的な工数を出して、3日で実装リリースが可能な施策に絞ったり、そのための方法を提案。そのあと本当に実施するものを決定して実装に向けて動きました。

施策リリース本数2倍以上、数値成果112%の成果を創出

このプロジェクトで何か成果は出ましたか?

F様:はい、出ました。
まず、施策のリリース本数が週1~2本から週4~5本に増え、2ヵ月間で30本近い施策をリリースすることができました。

また、数値成果だと、検索結果の一覧ページから式場ページへの遷移率を112%改善することができました。

最後に、今回のお取組みをやって良かったことを教えてください。

M様:今までUSERGRAMを個人が散発的に使っていたのが「施策出しのルーティン」として上手く機能し、ある程度の制限の中で改善の方向性も決められたことが良かったです。

私がGoogle Analyticsの数字を見せても、エンジニアや他メンバーからは「よくわからない。数字の根拠は?」と言われることが多かったのですが、USERGRAM のユーザの行動だとみんなの納得感が高まったのも良かったですね。

正直、1 週間でいろいろと検証して実装までまわすのは大変かと思っていましたが、実際はみんな前向きで楽しそうに取り組めました。以前より改善のスピードも着実に上がり、とても良かったです。

★お忙しい中、取材にお付き合い頂いたM様、F様、本当にありがとうございました!

「施策案出しシート」「施策検討シート」のサンプルのダウンロード

実際に使用されていた「施策案出しシート」、「施策検討シート」のサンプル(Excelフォーマット)です。
ぜひチームでのミーティング等で使用されるフォーマットの参考にしていただけますと幸いです。


神保菜津紀
世の中をもっと笑顔に!前職にてITコンサルとして働く中で、 多くの企業は人間を見ていないという現実に直面。「人間中心」というbeBitの考えに共感してJoinしました。USERGRAMを通じて、人間中心の笑顔と感謝に溢れた社会を実現したいという思いで、日々奮闘しています。好きな場所は海と島。

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