1. トップ
  2. > 活用ヒント
  3. > 【効果を示して企画を通す】施策の効果試算の方法をご紹介!

活用ヒント

【効果を示して企画を通す】施策の効果試算の方法をご紹介!

企画を考え、いざ実行!…でもその前に「企画案を通す・決裁をもらう」フェーズが必要な会社も多いのではないでしょうか。
その際求められる情報はさまざまですが、「施策実行時の効果を示す」のは共通していると思います。

▲一般的なデジタルマーケティング業務の流れ

正しく効果試算が行えており、成果が出ることがわかっている施策であれば決裁者もGOを出しやすくなります。
そうは言っても、施策実行でどの程度効果が出るか、エビデンスを示すのが難しい…と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では基本の計算式をもとに、施策の効果試算を行う方法をケーススタディに沿ってご紹介します。

「USERGRAMでユーザ行動をもとに改善施策を考えたが、社内で通すには数値の根拠や効果試算が必要」
「直感でこうしたらいいかも!と思いついたけど根拠がなく、企画が通らない」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

本記事はオンラインセミナーにて実施しております「USERGRAM×Google Analyticsセミナー」の内容をもとに作成しております。
本記事にてご紹介しております「施策の効果試算」パートのセミナー動画は下記からご視聴いただけます。
Google Analytics × USERGRAM併用セミナー シーン③企画の提案
※USERGRAMご導入企業様のみご案内している動画となります。動画のお取り扱いにはご注意ください。

◆USERGRAMとGoogle Analyticsの違いについてはこちらの記事でご紹介しています。
◆USERGRAMとGoogle Analyticsを併用して施策の効果検証を行う方法はこちらの記事でご紹介しています。
◆USERGRAMとGoogle Analyticsを併用して改善・施策の企画を行う方法はこちらの記事でご紹介しています。

基本の計算式を押さえれば、効果試算は実は簡単!

施策の効果試算を行うにあたり、まずは基本の計算式を押さえましょう。
基本の計算式を押さえ、当てはまる数値を算出できれば、簡単に効果試算を行うことができるようになります。

多くのケースでは、施策の効果試算は「ユーザ数or訪問数 × 改善幅 × 単価」の式で算出できます。
施策に触れるユーザ数・訪問数は、施策によりクリック率などの係数がかかる場合があります。
また、施策による改善幅は、類似する実績値から予測するのが一般的です。

効果試算の方法を、ケーススタディに沿ってご紹介! 

ではここからは、あるECサイトを例にしたケーススタディを用いて、基本の計算式を使った効果試算の方法をご紹介していきます。
アクセス解析ツールはGoogle Analyticsを使用し、ケーススタディ内で当てはまる数値を考えていきます。

1. 施策に触れるユーザ数、訪問数をGoogle Analyticsなどで算出する

まずは、母数となる「施策に触れるユーザ数・訪問数」を算出します

既存ページに設置する施策の場合

サイト内の既存のページに設置する施策の場合は、Google Analyticsで対象となるページの実績値を確認しましょう。
今回は「マイページに新商品の紹介エリアを設置する」という、すでに存在する既存ページ上で行う施策なので、施策に触れるユーザ数・訪問数にあたる数値は「マイページの訪問数」となります。
本ケースにおけるマイページの訪問数(=Google Analytics上のセッション数)は7,000 /月とします。

今回はECサイトのケースのため、1ユーザあたりCVが複数回発生することを想定して「マイページの訪問数」を算出しました。
しかし、1ユーザあたりのCVが1回しか発生しない施策(会員登録促進の施策など)を打つ場合は、試算の数値を「訪問数」ではなく「ユーザ数」を施策に触れる対象としたほうが良い場合もあります。

新規ページを作成する施策の場合

新規ページを作成する場合などは、既存ページの実績を参考にできないですよね。
そのような場合、以下のような数値を参考にするのが一般的です。

  • サイト内のページの場合:同じカテゴリのページや類似ページの訪問数
  • LPの場合:過去に実施した施策のLPの訪問数
  • メール配信:配信を行うべきセグメントのユーザ数をデータベース等から算出

2. 施策による改善幅を考える 

次に、施策によってどの程度数値が改善されるか?を考えます
基本の計算式と並んで「改善幅の出し方」を押さえておけば、どのような施策でも試算が行いやすくなります。

新規施策で、改善前のデータがない場合

今回のケーススタディでは、「新商品の紹介エリア」を設けた場合、どれほどのCVRアップが見込めるのかの想定を立てていきます。
「マイページへの新商品紹介エリア設置」は既存施策の改善ではなく、新規施策となるので、元となるデータがありません。
そのような場合は、アクセス解析ツールで類似施策のデータ算出し、参考にするのが一般的です。

今回はトップページにある新商品紹介エリアのCVR 2%を参考値にします。
ただし、トップページよりもマイページのほうがユーザの購買意欲が低くなることを加味し、トップページの新商品の紹介エリアのCVRに0.75掛けした「1.5%」を想定CVRとします

改善施策で、元となるデータがある場合

元となるデータがある施策の場合(既存ページの改修など)は、現状のCVRを参考値とします。
類似施策を過去に行っている場合(キャンペーンなど)は、過去に実施したキャンペーンのCVRを参考にします。
現状の施策や前回のキャンペーンと比較し、今回の改善施策を行うことでどの程度数値が改善するか?を考え、改善幅の想定を立ててみましょう。

・キャンペーンだと…
過去のキャンペーンとの差分(割引額やインセンティブ、対象ユーザなど)を加味してCVRを立ててみましょう。
例)前回のキャンペーンで、1,000円クーポンを配布した際はCVRが●%だった。今回は1,500円クーポンを配布するので、CVRは●%くらい上がるのではないだろうか

・デバイスごとに改修を行うときは…
PCページで改善を行ってからスマホページを改善する…といった場合は、PCユーザのCVRを参考にしてみましょう。
例)デバイスごとの通常時のCVRに大きな差はないので、スマホページ改善後もPCページと同じくらいの効果が出るのではないだろうか

3. 効果を算出する

施策に触れるユーザ数と施策による改善幅が算出できたら、最後に期待するアクションが発生した際に見込まれる「単価(CV 1件あたりの成果金額)」をかけ合わせて施策の効果を算出しましょう。
「CVRが●%になります」という見せ方をするよりも、売り上げなどの事業にインパクトのある数値を示すことで、決裁者も費用対効果を確認しやすくなります。

今回は、新商品の平均単価6,600円をかけ合わせます。
すると、今回の施策では693,000円の効果が見込める、ということがわかります。

USERGRAM導入企業での活用事例

ここで、USERGRAMを導入いただいている、あるコンテンツサービス事業様にて、USERGRAMで課題を発見し、効果試算を行った結果、スムーズに企画を通すことができた事例をご紹介します。

既存会員がログインできず、エラーページが表示されていた

あるコンテンツサービス事業様で、USERGRAMでCVまでに手間取ったユーザを抽出して観察していました。
すると、既存会員が新規会員登録を行おうとした結果、「このメールアドレスは登録済みです」という登録済みエラーページが表示される…という行動が複数見つかりました。
サイトの利用回数が多くない既存会員が、過去に会員登録をしたことを忘れ新規会員登録をしようとしている」ということに気付きます。

Google Analyticsでエラー発生回数を調査し、改善した場合の効果を試算

USERGRAMで発見したのは数人の行動でしたが、登録済みエラーで離脱しているユーザが多いのではないか?と踏んだ担当者。
Google Analyticsで登録済みエラーページの表示回数と、その後のログイン率を調査しました。

すると、登録済みエラーページのユニークユーザ数は、既存会員数の10%以上にあたる8,600名いることがわかりました。
また、エラーページが表示された後、ログインできた割合はわずか10.5%。パスワード間違いなど、その他のエラーでは45.2%がログインできていることと比較すると、ログイン成功率がかなり低いことがわかりました。

Google Analyticsの数値をもとに、施策の効果を試算

「商品がほしい!と思ったタイミングでスムーズにログインできないと、ユーザにとっても会社にとっても機会損失になってしまっている」と考えた担当者。
既存会員が会員登録を行った際、エラーページを出すのではなくメールアドレスで事前に登録済みかどうかを判定し、パスワード照会に誘導する、という改修を思いつきます。

しかし、ログイン周りのシステム改修となると、それなりに費用も掛かります。
そこで、社内で企画を通すために、Google Analyticsで算出した数値をもとに効果試算を行いました。

最終的に4,500万円の施策効果が見込めることがわかったため、上司の承認を得ることができ、施策の実行に至りました。

企画を通すためのコツ

・ユーザ行動も一緒に提示する
発案のきっかけとなったユーザ行動を実際に見てもらうことで、「実際のユーザの声から生まれた施策」だと受け取ってもらいやすくなります。
企画案とともに、実際のUSERGRAMの画面キャプチャを取って利用するのも効果的です。

・効果は金額で示す
企画を通す際に必要な数値やデータは企業によって異なりますが、可能なら金額で試算できると、決裁者も事業インパクトや費用対効果を把握しやすくなりおすすめです。

データから現状把握をしておく
効果試算には参考値が必要なので、まずは活用できるデータをそろえることが大事です。過去のキャンペーンデータや施策のデータは、今後企画を立てる際にも必要になってくるので、蓄積しておくようにしましょう。
そのデータから現状を把握しておくことで、施策の効果検証も行いやすくなります。

関連記事