多くの企業様で、広告の効果最大化を目指し作成されている「広告用LP」。
しかし、ターゲットユーザを想定して作成していても、本当にユーザ像を適切に捉えられているか、不足している情報はないかなど、日々頭を悩ませているご担当者様も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、USERGRAMご導入企業様の事例をもとに、広告用LPの改善において、行動データからどのように気づきや改善案を出していくと良いか、そのヒントをご紹介していきます!
改善のポイント
まずは、本記事で登場する広告用LPの改善ポイントをご紹介します。
▶ ポイント① LPから離脱後に、よく見られているページに着目
ユーザニーズやCVに必要な情報の不足に気が付き、LPに掲載する内容を改善できる場合があります。ユーザの置かれている状況や心情を想像しながら、観察してみて下さい。
▶ ポイント② 検索キーワードごとにLPを使い分けている場合、各LPごとの行動の違いに着目
検索キーワードによってユーザの状況は異なります。特にCVRの悪いLPは、他のLPとのユーザ行動/掲載内容を見比べながら観察してみると、各キーワードにあった内容に見直せるかもしれません。
▶ ポイント③ LP内のコンテンツが、どのように使われているか確認
LP内に複数コンテンツを設置している場合、どのコンテンツがターゲットユーザによく活用されているか確認してみてください。ユーザニーズを把握でき、LPの内容やコンテンツをより効果的に改善できる可能性があります。
USERGRAMご導入企業様の広告用LP改善事例4選
上記のポイントを押さえた4つの事例をもとに、広告用LPにおける気づきや改善案の出し方を、様々な角度からお伝えしていきます!
- セオリーにとらわれないことがCVへの近道?LP内で完結しないLPに変更(SMBC日興証券様)(ポイント①)
- 検索キーワード毎の掲載内容の違いからニーズを掴み、訴求内容を変更(ジェイエイシーリクルートメント様)(ポイント①、②)
- 検索キーワード毎の行動の違いから不安を発見し、掲載内容を改善(ポイント①、②)
- LP内コンテンツの活用状況から、刺さるコンテンツのみに精査(ポイント①、③)
皆様のUSERGRAMご活用のヒントとなれば幸いです。是非ご覧ください。
1. セオリーにとらわれないことがCVへの近道?LP内で完結しないLPに変更(SMBC日興証券様)
LPから離脱させずにCVさせることがセオリーな広告用LP。ただ、本当にそれがユーザにとって一番のCVまでの近道なのでしょうか?
今回は、LPから離脱した後の行動をもとにして、セオリーにとらわれず、LP内で完結しないLP作成に至った事例をご紹介します。
対象サイト
証券取引サイト(SMBC日興証券様)
観察した内容
<施策>
新規ユーザ獲得(=口座開設をしてもらう)のために、自社サービスの特徴・魅力などを掲載したLP
<観察したユーザ>
LPを閲覧後に口座開設を行ったユーザ
観察の際に着目したポイント
LPから離脱した後に、ユーザが閲覧していたページ
観察結果
LPに流入した後、すぐにCVせずにLPを離脱しているユーザが多数いた。
そのユーザの離脱後の動きを見てみると、再度検索して本体サイトに流入し、取扱商品一覧やコース比較などのページを閲覧していることが判明。
特に、本体サイト内でのユーザ行動を細かく追ってみると、ちょうど数ヶ月前にリリースした新サービスから同社に興味を持ってLPに流入したものの、その新サービスの情報が見つけられずに離脱。再度検索して、本体サイトに行く…という状況が見えてきた。
気づき
LP内で行動を完結してもらうのではなく、ユーザが関心を持っている情報にLPからスムーズにたどり着ける方が、口座開設の後押しになりそうと気が付いた。
改善案
ユーザが本体サイト内でよく見ていた新サービス「AI株式ポートフォリオ診断」や、ダイレクトコース限定の優遇特典をLP内に組み込み、詳細を知りたい場合には本体サイトへもリンクできるようにした。
「新サービスの情報に興味を持っているお客様がこんなにいるというのも想定外でしたし、『LPはLP内で完結させ、外に出さない』ことが鉄則だと思っていました」とおっしゃるSMBC日興証券様。
ユーザがCVするためにはどのような情報が必要なのか、是非ユーザ行動を踏まえて考えてみて下さい。
元事例はこちらをご参照ください。
LP・フォーム・コラム…クイックに成果を上げるサイト改善の3事例【SMBC日興証券様セミナー(2)】
2. 検索キーワードごとの掲載内容の違いからニーズを掴み、訴求内容を変更(ジェイエイシーリクルートメント様)
ユーザのニーズを想像し、検索キーワードに応じてLPを作り分けているものの、本当にニーズに合わせた内容にできているのだろうか…?と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
今回は、検索キーワードごとのLPの掲載内容の違いに着目することで、ユーザニーズをキャッチし、掲載内容を改善した事例をご紹介します。
対象サイト
転職サポートサービスサイト(ジェイエイシーリクルートメント様)
観察した内容
<施策>
外資系キーワード用のリスティング広告用のLP(例:外資 転職 等)
(もともと、ユーザの検索意図を想像して内容の異なるLPを複数用意していたが、中でも外資系キーワード用のLPはCVRが良くなかったため、改善したかった。)
<観察したユーザ>
外資系キーワード用のLPに流入し、新規会員登録に至ったユーザ
観察の際に着目したポイント
外資系キーワード用のLPから離脱した後に、ユーザが閲覧していたページ
観察結果
外資系のキーワードで検索しLPに流入するも、離脱してしまっているユーザが多くいた。
そして、そのようなユーザは再度検索を行い、指名キーワード(例:JAC 転職 等)用のリスティング広告のLPに流入し、新規会員登録しているケースが多いことが判明した。
気づき
そのような行動の理由を知るために、2つのLPを見比べてみると、指名キーワード用のLPに掲載されている
・転職活動の支援実績数
・実際の利用者の口コミ、満足度
といった「ジェイエイシーリクルートメントの転職サービス自体に関する実績や情報」が、外資系キーワード用のLPにはあまり掲載されていなかった。
また、指名キーワード用のLPはメインビジュアルに「年収1,200万円以上」と記載し、高年収の転職ができることを押し出したLPになっている一方で、
外資系キーワード用のLPは、メインビジュアルに年収アップ事例の記載があるものの、あまり年収の高さを押し出していなかった。
「外資系キーワードで流入するユーザは、ジェイエイシーリクルートメントという転職サービスがどのようなサービスなのか気になり、指名キーワードで検索し直しているのではないか」
「外資系キーワードで検索しているのは、必ずしも外資系に転職したいわけではなく『年収の高さを重視している(高年収=外資系企業を連想している)』ためであり、外資系キーワード用LPでは『高年収で転職できる』イメージが湧かなかったため、より多くの情報を得るために指名キーワードで検索し直しているのではないか」
という仮説にたどり着いた。
改善案
外資系キーワードのリスティング広告から流入したユーザに対し、外資系転職の情報だけに偏らず、転職サービス自体についての実績や情報を盛り込んだほうがCVRアップが期待できるのではないか、と考えた担当者。
そこで、自社の転職サービス自体の信頼度を向上させる、利用者の声や転職コンサルタントに関する情報、加えて高年収をプッシュする内容を掲載。
その結果、改善前の外資系キーワード用LPと比較し「CVR 1.2倍」という成果が出た。
LPを改善する際には、ターゲットとしているユーザの二ーズを探ることが大切ですよね。ユーザ行動を観察する際、LPに掲載している情報に改めて着目をすることで、ユーザのニーズを得るヒントとなる場合があります。
是非、ご自身でも同じ観点で観察してみて下さい。
元事例はこちらをご参照ください。
【ジェイエイシーリクルートメント様事例】リスティング用LPを改善し、CVRが1.2倍に
3. 検索キーワードごとの行動の違いから不安を発見し、掲載内容を改善
検索キーワードごとに内容の異なるLPを運用している場合、特定のキーワード用LPのCVRが低いものの、その理由が分からず困っている…ということもあるかと思います。
今回は、各検索キーワードごとのLP離脱後の動きを見ることで、ユーザのCVまでの検討行動に違いがあることを発見し、掲載内容を改善した事例をご紹介します。
対象サイト
ダイエットサプリのECサイト
観察した内容
<施策>
・「ダイエット」というキーワードで流入できる広告用LP
・「ダイエットサプリ」というキーワードで流入できる広告用LP
(ビッグワードである「ダイエット」の方が流入量は多いものの、「ダイエットサプリ」のLPよりもCVRは低かったため伸びしろがあるのでは?と感じていた。)
<観察したユーザ>
各LPに流入して商品購入に至ったユーザ
観察の際に着目したポイント
ダイエットのLPを見たユーザ行動と、ダイエットサプリのLPを見たユーザ行動の違い
観察結果
「ダイエット サプリ」で流入するユーザはスムーズにCVするが、「ダイエット」で流入するユーザはLPから離脱し、本体サイト内の「FAQ」や「特定商取引法による表示」などを何度も閲覧していた。
気づき
「ダイエット」のLPに流入するユーザは、ダイエットをする手段は未定であり、そもそもサプリについての前提知識がないので、サプリに対する不安感が大きいのではないか?と考えた。
改善案
ダイエットLPには、ユーザのサプリに対する不安感を取り除いてあげられるよう、サプリへの疑念払しょく系コンテンツを入れることにした。
LPから離脱した後に、ユーザがどのような行動をしているか着目することで、ユーザが必要としている情報を推察できるようになります。
是非、LPから離脱以降の動きについてもしっかり確認してみてください。
4. LP内コンテンツの活用状況から、刺さるコンテンツのみに精査
LP内に色々なコンテンツを入れてみたものの、実際にはどのコンテンツがCVに寄与しているか分からない…と悩まれている方も多いかと思います。
今回は、LP内のどのコンテンツが活用されているか確認することで、ユーザニーズに気付き、LP内に載せるべき刺さるコンテンツを精査した事例をご紹介します。
対象サイト
シェアハウスに特化した不動産ポータルサイト
観察した内容
<施策>
SNS広告から誘導した「女性に人気の物件特集」LP
<観察したユーザ>
SNS広告から「女性に人気の物件特集」LPに流入して、物件問い合わせをしたユーザ
観察の際に着目したポイント
LP内に設置した回遊バナーが、ターゲットユーザの回遊に寄与しているか
観察結果
特集LPを一通り見た後、ページ下部の「キャッシュバック対象物件」や「期間限定キャンペーン」のバナーから、サイト内の別ページへ回遊しているケースが多い。
一方、これらのバナーと並列で置いている「4月から入居可能な物件」バナーはあまり活用されていない。
気づき
女性をターゲットとした広告LPの場合、回遊用のバナーとしては、時期訴求系よりもお得系のほうが活用されている。
改善案
女性を対象とした回遊バナーの内容をお得系のもの中心に変更。
ターゲットに合わせたコンテンツを載せていたとしても、その内容がニーズに沿ったものでないと効果が薄れてしまいますよね。是非、ターゲットのニーズがどこにあり、そのニーズを満たすためにはどうすればよいのかUSERGRAMを使って考えてみて下さい!
元事例はこちらをご参照ください。
SNS広告で集客した「女性に人気の物件特集」LPの検証・改善
USERGRAMで広告用LPの効果をチェックするには?
USERGRAMでは、広告に記載するリンク先URLにパラメータを付与しておくことで、そのパラメータ付きURLに流入したユーザを抽出することができます(パラメータはGoogle Analyticsなど他ツールのパラメータでも構いません)。
詳細については、
【絞り込み】SNS・メルマガ・各種広告から流入したユーザを絞り込むには?
をご参照ください。
今回は広告用LPの改善業務について、様々な角度から、気づきや改善案の出し方についてお伝えして参りましたが、いかがでしたでしょうか?皆様の業務に少しでもお役立て頂ければ幸いです。
本記事に掲載している事例以外にも、様々な改善事例がございます。是非ブログ内の「分析事例」からご参照ください。