USERGRAMをお使い頂く中で、
- ユーザ行動データを見ても、いい改善案が浮かばない
- ユーザは狙い通りの行動をしていないことは分かったが、次にどうすれば良いのか分からない
というお悩みはないでしょうか?
この記事では、ユーザ行動データをもとに、顧客インサイトを捉えて、企画や改善案を立案するコツをご紹介します。
行動から直接打ち手を考えるのはNG
「いい改善案が出ない…」という場合、ユーザの行動そのものから次の打ち手を考えようとしていないでしょうか?
例えば「進んで欲しいと思っているページに進まず、離脱している」というユーザ行動があった場合、「リンクに気づいていないのだろうか?もっと目立たせたほうがいいのだろうか?でも既に十分目立っているようにも見える…」と考え込んでしまう、といったケースです。
このようにユーザの行動そのものから打ち手を考えようとすると、思考の幅が狭くなり、良い企画を出すのが難しくなります。
インサイトを捉えた企画を立てるためには、打ち手を考える前に、
- 「このユーザはなぜこのような行動をしたのだろうか?」「このユーザは何がしたかったのだろうか?」といった行動の背景にあるユーザの状況
- 「このユーザはどんな体験ができればよかったのか?」という理想の体験
の2つを考えることがポイントです。
行動の背景にある「ユーザの状況」と「理想の体験」を考えるとは?
例えば、先程の「進んで欲しいと思っているページに進まず、離脱している」という場合について考えてみます。
ケース 1
1. ユーザの行動
進んで欲しいと思っているページに進まず、離脱している
2. 想定されるユーザの状況
ユーザの見ていた画面を確認してみると、サイト流入前に見ていた広告ではキャンペーンを打ち出しているのに、サイト内ではキャンペーンの記載が目立たない。キャンペーンを期待してサイトに来たユーザは混乱しているのでは?
3. 理想の体験
流入のきっかけとなったキャンペーンについて、サイト内でもすぐに確認ができ、安心して検討を進められる
4. 改善案
広告とサイト内で一貫したメッセージになるよう、ファーストビューの文言を見直す
ケース 2
1. ユーザの行動
進んで欲しいと思っているページに進まず、離脱している
2. 想定されるユーザの状況
朝の通勤時間帯に見ているので、会社についたタイミングでサイトから離脱したのでは?
3. 理想の体験
ランチタイムや仕事終わりなどにスムーズに前回の続きから始められる
4. 改善案
保存機能を持たせる
ケース 3
1. ユーザの行動
進んで欲しいと思っているページに進まず、離脱している
2. 想定されるユーザの状況
離脱しているのは既存ユーザに多い。広告で打ち出しているキャンペーンは新規ユーザ限定だが、そのことに気づかずサイトに流入してしまったのでは?
3. 理想の体験
新規ユーザ向けのキャンペーンであることが事前に分かり、サイト内に入ってからがっかりしない
4. 改善案
新規ユーザ限定のキャンペーンであることが伝わるよう、広告のキャッチコピーを見直す
インサイトを捉えた企画立案には、4つのハコを意識する
上記の例の通り、「ユーザの状況」や「理想の体験」を考えることで、よりユーザの状況やインサイトを正しく理解した効果的な改善案につながります。
ユーザの状況を考察するには、
- サイト流入を含めて、ウェブ上でユーザと同じ行動をとってみる
- サイトの訪問時間に着目してみる
- ページの滞在時間に着目してみる
- 会員情報や申込み情報内の年齢や性別・購入履歴などに着目してみる
などが効果的です。
最後に、「ユーザの状況」や「ユーザにとって理想の体験」は、「想定」にすぎず、それが正しいかどうかは企画を実行してみなければ分かりません。
想定に基づいた改善案を実施し、ユーザ行動に狙い通りの変化があったかを検証する、というサイクルを繰り返すことが、ユーザインサイトへの理解を深め、より成果につながる企画の立案につながっていきます。