USERGRAMで行動データ分析から良い改善案や企画案が出せたとしても、いざ実行に向けて動くにあたり、以下のような壁にぶつかっている方も多いのではないでしょうか?
- USERGRAMで出した改善案を、どう伝えれば他の人(上司/チームメンバー/制作担当)に納得してもらえるか分からない
- 実行の効果の示し方や、優先度の見せ方が分からない
- 具体的な企画書への落とし込み方が分からない
今回は、行動データ分析から発案された改善案や企画案を、社内で通しやすくするためのポイントについてご紹介します。
改善案や企画案を通しやすくするためのポイントとは?
改善案や企画案を社内で通しやすくするためのポイントを、以下の3点に絞ってお伝えしていきます。
本記事の最後には、ご紹介したポイントを押さえた資料テンプレートもご用意しておりますので、是非ご確認ください。
ポイント①具体的なユーザ行動を見せる
ポイント②行動の解釈を明示し、解決すべきユーザの状況を伝える
ポイント③定性分析を定量に落とし込み、効果を具体的に示す
テンプレート:企画共有フォーマット/企画立案シート
ポイント①具体的なユーザ行動を見せる
「USERGRAMから改善案を出し、他の人(上司/チームメンバー/制作担当)に共有したけれど、あまり納得してもらえない…」と、困ってしまったことはないでしょうか?
USERGRAMは行動データ分析のため、定量分析と異なり、根拠付けが難しく感じられる場合もあるかもしれません。
USERGRAMから出した改善案の根拠付けには、実際にUSERGRAMで発見した特徴的なユーザ行動を見せることが有効です。
こうすることにより、以下のような効果が期待できます。
- 「ユーザはこのように行動している」というファクトを伝えられる
- ユーザの困っている様子が目の当たりになり、企画案に対して上司や他部署の理解が得られやすい
以下、具体的な「ユーザ行動の見せ方」を3例ご紹介していきます。
ユーザ行動の見せ方3例
①キャプチャで添える
ある企業様では、気になるユーザの行動詳細画面をキャプチャし、社内報告書資料として活用されています。
②会議の場で共有する
企画案の根拠となったユーザ行動を、会議の場などで実際にUSERGRAMの画面を開いて説明する、というやり方をされている企業様もいらっしゃいます。
③ディスカッション機能を活用する
より手軽にユーザ行動を共有する際は、USERGRAM内のディスカッション機能をお使いいただくのもおすすめです。
「ディスカッション機能」とは?活用シーンは?
こちらの機能をお使いいただくことで、気になるユーザをワンステップで共有することが可能です。
※ユーザ行動を共有したい相手がUSERGRAMのIDを持っていない場合、ゲスト権限のIDを発行頂くことで、ユーザを共有することができます。
【ログインIDの種類】無料で発行できる「ゲスト権限」とは?
ID発行方法の手順についてはこちらをご参照ください。
特に他部門や協力会社への依頼が必要な場合、実際のユーザ行動を1~2名でも実際に見てもらうことで、共通認識が持て協力体制を作りやすくなります。是非試してみてください。
ポイント②行動の解釈を明示し、解決すべき「ユーザの状況」を伝える
関係者の協力を仰ぐ上では、ポイント①の具体的なユーザ行動を見せることに加えて、その行動から推察された「ユーザの状況」を共有することも重要なポイントです。
ユーザの行動から得られる解釈は、前提知識や背景情報によって補われている部分もあるため、ユーザ行動を共有するだけでは意図が伝わり切らない場合があります。
そのため、実際のユーザ行動に自身の解釈を添えて伝えることで、解決すべきユーザの状況を共有でき、提案している改善案や企画案の納得感アップに繋がります。
具体的な「解釈の添え方」を、以下事例に沿ってご紹介します。
【事例】
コンテンツサービス事業社様において、ログイン導線でのユーザのつまづきを発見し改善案を立案。
<観察から発見したユーザの行動>
既存会員が新規会員登録を行おうとした結果、「このメールアドレスは登録済みです」という登録済みエラーページが表示。
その後「パスワードを忘れた方はこちら」というページを閲覧してログイン完了、という行動を複数発見。
<行動の解釈>
サイトの利用回数が多くない既存会員が、過去に会員登録をしたことを忘れ、新規会員登録をしようとしているのではないか。
<改善案>
既存会員が会員登録を行った際、エラーページを出すのではなくメールアドレスで事前に登録済みかどうかを判定し、パスワード照会に誘導する、という改善案を立案。
例えば、上記のように観察結果・改善案が整理できたら、以下のような資料にまとめていただくことがおすすめです。
今回のケースにおいては、解決すべきユーザ状況を
「サイトの利用回数が多くない既存会員が、過去に会員登録をしたことを忘れ新規会員登録をしようとしている」と解釈し、行動に添えて記載しています。
上記ように、解釈したユーザ状況を添えることで、今回の改善がなぜ必要なのか、納得感がぐっと増しますよね。是非皆様も試してみてください。
ポイント③定性分析を定量に落とし込み、効果を具体的に示す
「なぜその企画案を実行するべきか」社内を説得するためには、実行をした際の効果を具体的に示す必要もありますよね。
しかし、USERGRAMでの分析は定性分析のため、上手く定量的な効果に結びつけることができず、効果試算のやり方に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような場合には、USERGRAMの絞り込み機能を使うことで、どのくらいのユーザが同じ状況に該当するか、簡易に試算することがおすすめです。
例えば、先ほどの事例の場合、「メールアドレス登録済みエラー」ページから「パスワードを忘れた方はこちら」に遷移し、ログイン完了したユーザを絞り込んでいきます。
絞り込みを行うと、上記のような行動をしたユーザは、
「ログイン完了をしたユーザの総数1000名の内、200名(=20%)」いることがわかります。
このように行動絞り込み機能を使うことで、どのくらいのユーザが該当する状況なのか、一目で確認することができ、改善後のインパクトをイメージしやすくなります。
※USERGRAMで一度に抽出・表示できるユーザは最大2000名となっています(詳細はこちら)。そのため、割合ではなくユーザ数で算出したい場合には、Google Analyticsなどから母数を算出し、その母数にUSERGRAMで算出した「割合(%)」をかけることで、試算を行うことができます。
【補足:発案した改善案や企画案の効果試算を行うには】
該当する状況のユーザがどのくらいの割合で発生しているか確認した上で、「改善することによって得られる効果を試算する」必要がある場合には、
「ユーザ数or訪問数 × 改善幅 × 単価」の式で算出することが出来ます。
より具体的な効果試算方法を確認されたい方は、是非こちらの記事をご参照ください。
【効果を示して企画を通す】施策の効果試算の方法をご紹介!
(補足)施策実行の優先順位が決められない時は
USERGRAMで観察をしていると、たくさんの改善案や企画案が発案され、どの施策から実行すべきか、悩まれるご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。特に他部門への依頼が必要な場合には、一度に依頼ができる量が限られている場合もありますよね。
そのような場合には、以下のように、「実行難易度」と「期待効果」の2つの軸で、優先順位を決めていくのがおすすめです。
その上で、弊社の知見から、施策実行は以下の順で実行していくことをおすすめしております。
- 【実行難易度低・期待効果大】
- 【実行難易度低・期待効果小】
- 【実行難易度高・期待効果大】
こうすることで、ユーザのタイムリーな課題を解決することができ、成果創出が積み上がりやすくなります。
テンプレート:企画提案フォーマット/企画立案シート
上記のポイントを踏まえて、我々カスタマーサクセスチームで作成した【企画提案フォーマット】【企画立案シート】のご用意もございます。
【企画提案フォーマット(PowerPoint)】
- ご利用シーン(こんな時にお使いいただけます)
- 決裁者へのプレゼン時
- 企画共有相手に対し、端的にその重要性を伝える必要がある場合
(下記企画立案シートでは、情報量が多すぎて依頼が困難な場合など)
- 使用するメリット
- 企画実行に必要な要素がコンパクトにまとまっている
- 視覚的に見やすく企画の重要度が伝わりやすい
▼ダウンロードは以下から
【企画立案シート(Excel)】
- ご利用シーン(こんな時にお使いいただけます)
- ユーザ観察で得た気づきを元に、それらを具体的な企画案まで落とし込む時
- 企画を実行するための必要要素の洗い出し、思考整理
- チーム内ディスカッション時のたたき台として
- ご活用のメリット
- 自身の思考整理をしながら、企画実行に必要な情報を用意できる
- 分析~企画立案、効果試算までの過程を細かく残しておくことができる
いかがでしたでしょうか?
分析から出した改善案や企画案は、実行してこそ成果につながります。是非上記ポイントを意識して、成果創出のためのPDCA迅速化を目指してみてください。皆様の業務の手助けとなれば幸いです。